●今月は、
武野紹鴎(たけのじょうおう)が亡くなった月です。
●炉(茶道のシステム)を考案したのが紹鴎です。
●ある時、紹鴎が弟子の
利休と一緒に歩いていましたら、
道具屋で、素晴らしい『水指(茶道具)』を売っていました。
紹鴎は、目ざとい利休に取られてはいけないと思い、
知らん振りをして、やり過ごしました。
●後で、その道具屋へ先程の『水指』を買いに行きましたら、
既に売れていました。
「さては、利休に先を越されたか。
しかし、あの『水指』はそのまま使っては面白くない、
耳を欠いてこそ、面白味がでる。
利休に教えてやらねば。」と思っていました。
●そこへ、利休から、茶会の招待状が来ました。
「素晴らしい『水指』が手に入ったので、披露したい。」と。
●紹鴎は、あの『水指』がそのまま飾ってあったならば、
耳を落としてやろうと思い、懐に木槌を入れて、
茶会に出席しました。
●なんと、あの『水指』が耳を落として飾って有りました。
思わず紹鴎は、にこりと笑い、
良い跡継ぎができたと
紹鴎(大黒庵)は、安心しました。